★うめじ英語塾 お問い合わせフォーム★

接触量が増やせたら

接触量が増やせたら

つい先日(2022年10月20日)読んだ『小学校英語のジレンマ』の1文が昨日(10月25日)も頭の中をめぐっていました。

結局、非英語圏で習得の成否を左右する最重要要因は接触量であり、これに比べると学習開始年齢の重要性はかなり低い。
『小学校英語のジレンマ』(p.28)

著者は関西学院大学准教授の寺沢てらさわ拓敬たくのりさんです。小学校での英語教育を批判的に検討する文脈で、日常生活で英語を使わない日本のような国では、英語学習をいつ始めたかより、英語にどれだけ接したかが習得のカギを握るという趣旨の文です。

ポジティブに解釈すると、少しぐらいスタートが遅くても、量をこなせば英語は習得できるということで、前向きになれます。まず第一に、接触量を増やす。

それでは、仮に量が確保できたら、次は、接触の質が大切になると思います。具体的に言えば、教材の質や学習する際の意識です。もちろん、学習者の質、つまり、本人の能力も関係しますが、これを本質的に変えるのは困難です。例えば、わたし自身のことを考えても、子どもの頃から暗記で苦労しているので、今になって飛躍的に記憶力を伸ばすのは難しい…。変えられるのは、教材の質や学習時の意識です。

まず、教材の負荷は適切に管理して、徐々に増やすべきです。「習得」の定義、すなわち、目標設定に応じて、負荷を少しずつ増やすのがいいと思います。例えば、観光を楽しむ、ビジネスで交渉する、研究論文を読み書きするでは、求められる知識・技能が異なります。目標到達を可能にする教材を選んで、徐々に負荷を増やすのが理想です。

ただし、いつも上り坂だと息が切れるので、たまには、教材の負荷を意図的に少し下げて、自分の成長を感じるのもいいと思います。登山で景色を楽しむイメージです。

次に、意識の観点からは、集中して学習することも大切です。昨日、母語の日本語でラジオを聞いていて驚いたのですが、わたしは日本語の放送を聞き流していることが判明しました。聴き取れない単語がしばしばあるからです。こんな調子なら、どの単語も聴き漏らさないように意識している、英語のポッドキャストを聴いているときの方が確実に学習の質が高いです。

質でさらに付け加えるならば、学校や塾では教授者の質も関係しますが、うめじ英語塾の講師としては、日頃から英語や意思疎通のスキルを磨いて、質の向上を心掛けようと思います。

とは言っても、「最重要要因は接触量」です。うめじ英語塾で使っている大学入試問題の解答用紙と単語リストのセットを昨日は2つ追加で作りました。今年(2022年)の7月から新刊の問題集に切り替わってからの約4ヶ月で、53セットになりました。

本日(10月22日)も積極的な氣持ちでがんばります!(笑)