カイヨウプラスチック
大学入試問題を読んでいると、海洋プラスチックゴミの問題がしばしば取り上げられます。
世界経済フォーラム(World Economic Forum)による2016年の報告によれば、対策をしなければ2050年までに海の中のプラスチックゴミの重量が魚の重量を上回るとのことです(p.7)。つまり、海の中に魚よりもプラスチックゴミの方がたくさんある状態になるということです。
報告書原文:WEF_The_New_Plastics_Economy.pdf
関連ウェブサイト:海洋プラスチック問題について |WWFジャパン
なお、上記の報告書はプラスチック容器包装に焦点を合わせています。プラスチックを再利用することで、環境への悪影響を軽減し、生産コストも抑制できるので、利益に結びつくという循環型経済(circular economy)への移行を提言しています。
これを読んで、わたし自身はゴミの分別も真面目に行ってリサイクルに貢献しているし、川にゴミのポイ捨てもしていないし、優等生だと思っていました。
ところが、先日TIMEを読んでいたら、スポーツ用品メーカーのアディダス(Adidas)の先進的な取組についての記事があり、驚いたことがあります。
記事リンク:Adidas Is One of the 2021 TIME100 Most Influential Companies | TIME
この記事によれば、世界で使用される衣服の6割で合成繊維(synthetic fiber)が使われており、ポリエステル(polyester)を洗濯すると、プラスチックのとても細かい繊維(plastic microfiber)が排水に紛れ込むらしいのです。
ゴミの分別はちゃんとやっても、洗濯で…とは思いませんでした。日本の下水処理施設でどの程度これらの微小なプラスチック繊維が取り除かれるのかは知りませんが、意外なところで環境汚染に加わっていたことに気づきました。
ちなみに、アディダスは2024年までにすべての製品で新品のポリエステル(virgin polyester)の使用をやめ、リサイクルのポリエステル(recycled polyester)を使用すると発表しています。
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