上級者が合わせる
コミュニケーションの基本は上級者が合わせることです。
スキーのゲレンデで衝突を回避するのは上級者。キャッチボールでは上手なヒトの方が、相手が取りやすいボールを投げる。
言語でのコミュニケーションでも、上級者の方が相手に合わせる責任があります。
上級者でない方にも努力義務はありますが、読んだり聴いたりして理解できなかったときには、上級者の書き方や話し方がうまく調節できていないわけですから、上級者に説明を求めることで、コミュニケーションを継続させましょう。
というふうに考えて、わたしは英語のネイティブスピーカーとの双方向のコミュニケーションの場面では、自分が理解できなかった場合は、どういう意味なのかもう一度説明してもらったりします。
ところが、入学試験では、一部の面接試験を除いて、上級者(=出題者)が一方的に書いたり話したりする状況になります。こちらの都合はお構いなしです。
入試の目的は合格者の選抜にあるため、上級者がこちらに合わせるという構図になりません。まるでテニスの試合です。ラリーは続かないほうがいい。相手が打ち返せないボールを意図的に繰り出す。
対策としては、試合で勝てるように、得意な分野をさらに伸ばし、苦手な分野を粘り強く補強することになります。
わたしの考えでは、入学試験でも、理想的には、理解できなかった部分を質問する力まで含めて、コミュニケーション能力を評価するべきだと思います。実際の生活を考えても、相手と共通理解が成り立ったとき、力が出て、目的が達成できるからです。
コミュニケーションの基本は上級者が合わせることですが、入試ではそうなっていないので、受験生は練習で汗をかいて対応力を身につけましょう。
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