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英語の文法書のトリセツ

英語の文法書のトリセツ

取扱説明書、略して、トリセツ。英語学習で言えば、文法書がトリセツになります。

文法書を最初から読んでいくような授業をしている学校はもうほどんどないかも知れませんが、このアプローチには弊害(へいがい)もあります。

眠くなるのです。いつ使うか分からない文法のルールを順番にひたすら詰め込む。眠くなります。スマホを使い始める前に、トリセツを一通り読破するアプローチです。

昨日(2020年6月27日) The Elements of Style という英語の文章作法の古典を読み終えましたが、第4章を突破するのに時間がかかりました。この章は「誤用の多い単語や表現」というタイトルで aggravate に始まって would まで、123個の項目についてアルファベット順で解説が書いてあります。たった27ページです。

読みながらなぜこの章で停滞したのかと考えると、それぞれの項目がバラバラで脈絡(みゃくらく)がないからだと気づきました。

さて、英語の文法書では、項目は体系的にまとめてあるものの、例文の内容はバラバラで相互に関係がないことが多く、最初から最後まで読み通すのは骨が折れます。

まるで医学部の学生さんが人体の構造について一通り学ぶように、英文の構造について一通り学ぶ感じです。お医者さんなら人体の構造について、英語の先生なら英文法について一通りの知識は身につけておいてほしいです。

しかし、将来英文法学者や英語の先生になる人ばかりではありません。高校で学習する英文法は、全ての項目を網羅(もうら)してあり内容が詳細です。一般の英語ユーザーからすると文法書を最初から読んでいくようなアプローチだと眠くなります。

文法書は大切だと思いますが、百科事典のように必要があるときに参照するという使い方のほうが、多くの人にとっては脳ミソに残りやすいとわたしは考えます。

そのためには、読んだり書いたり聴いたり話したり、実際に英語を使う機会が豊富にあるべきです。トリセツを読破する前に実際に使ってみようというアプローチです。そうすると、できなかったり間違えたりする機会もたくさんあるので、そのタイミングで文法書というルールブックを開いて研究するほうが、内容が記憶に残りやすい。

と、The Elements of Style の第4章を読んで感じたことをまとめてみました。