★うめじ英語塾 お問い合わせフォーム★

『私のものの見方考え方ーわが人生観ー』という本を読んでいます

『私のものの見方考え方ーわが人生観ー』という本を読んでいます

わたしは今、松本清張(まつもと・せいちょう)さんの『私のものの見方考え方ーわが人生観ー』という本を読んでいます。

松本清張さんの編集者を長年された櫻井秀勲(さくらい・ひでのり)さんの『誰も見ていない書斎の松本清張』(きずな出版) を先日読んで、松本清張さんの人物像に興味がわいたので、連鎖的に『私のものの見方考え方ーわが人生観ー』を読んでいるわけです。

つい先日(2020年3月8日)のブログで、わたしは「最初の50ページちょっとを読んだのですが、松本清張さんの著作の原動力となった、ある事実について詳しく書いてあり、わたしはある種の衝撃と感慨をもって受けとめています」と書きました。その「ある事実」とは「学歴の克服」です。

松本さんは、ご家庭の経済的理由で中学校に進学できず、小学校の高等科に入学し、それが自分の学歴となったと書かれています。『私のものの見方考え方ーわが人生観ー』を読んでいると、松本清張という人物がその逆風を跳ね返すために凄(すさ)まじい努力を続けられたことがズシンと伝わってきます。

こんな勉強をした、あんな勉強をしたと書いてあるわけではありません。ただ読むと、文面から伝わってくるのです。そんなわけで、パラパラとページをめくるような調子にはならないのです。

わたしは松本清張さんの小説を読んだことがないので、小説がどのような筆致(ひっち)で書かれているのか知りません。しかしながら、今読んでいるエッセイは重厚で、松本清張さんが「人生に卒業学校名の記入欄はないのである」(p.16) と書かれている意味が分かります。松本先生は学歴の克服のために一生を勉強して貫かれたのです。