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『落日燃ゆ』を読みました

『落日燃ゆ』を読みました

昨日(2020年2月21日)『落日燃ゆ』(らくじつもゆ)を読みおわりました。

著者は小説家の城山三郎(しろやま・さぶろう)さんで、第二次世界大戦後に東京裁判でA級戦犯となり、唯一文官として1948年12月23日に絞首刑となった広田弘毅(ひろた・こうき)元首相が主人公です。

つまり、この本は広田弘毅元首相の伝記小説です。外交官として「協和外交」に献身される誠実なお人柄、第2次世界大変へ突入していく時代潮流の中で最善を尽くされる様子が印象的に描かれています。

先日(2月18日)のブログでも書きましたが、なぜ『落日燃ゆ』を読み始めたかというと、別の本を読んでいるときに、『落日燃ゆ』を座右の書として挙げる方が複数いらっしゃったからです。

この本を読むと、「物来順応(ぶつらいじゅんのう)」そして「自ら計らわぬ」という態度で、自分でコントロールできない事象をも我慢強く受け容れ、計略を用いず誠実に物事に対処される広田元首相の生き方に人生の指針を見出す方が多くいらっしゃるのも納得できます。

英語では責任転嫁をせずに「全責任は我にあり」というのを The buck stops here. と言います。戦争回避のためにあらゆる手を尽くされたものの、東京裁判では自らの弁明を一切拒否するという態度で貫徹された広田元首相のリーダー像が印象に残りました。

さて、今年(2020年)は戦後75年になる年です。城山三郎さんの『落日燃ゆ』を読んで、歴史を学ぶ意義は、現在の事象を自分から切り離して客観的に捉える目を養うことではないかと、ちょっとエラそうに思ったりするわけです(笑)。歴史を学ばざるもの、歴史の轍(てつ)を踏む、とでも言っておきましょうか…