“Fair is foul, and foul is fair.”
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』の冒頭に “Fair is foul, and foul is fair.” というセリフがあります。日本語にすると「善は悪、悪は善なり」となるでしょうか。頭韻を踏んだ fair と foul は対義語で、フェアプレイ、ファウルプレイは日本語でも使いますね。
わたしはこの言葉を聞くと、なぜか勝手に「易は難、難は易なり」とアタマの中で置き換えて、英単語の学習のことを考えてしまいます。つまり、「カンタンな単語ほど難しく、難しい単語ほどカンタンだ」ということです。
例えば、make。辞書で調べると、動詞の意味だけでもたくさん。おまけに、名詞の意味もある。その上、他の単語と合流して、よせばいいのに多様な熟語を形成。make そのものは最初に学ぶ500語レベル単語の1つですが、意外に厄介(やっかい)です。
一方、improve は2000語レベルの単語ですが、品詞は動詞のみで、意味も「良くする、良くなる」と考えておけば問題ありません。
つい先日もうめじ英語塾で address という単語について生徒様から質問がありました。英文を読んでいて実際に出てきたのですが、address は1000語レベルの比較的易しい単語です。「アドレス帳」というときのように「住所」という意味があります。ところが、Abraham Lincoln’s Gettysburg Address となれば「エイブラハム・リンカーンのゲティスバーグ演説」のように「演説」という意味になります。さらに address the audience なら「聴衆に語りかける」、ついでに address an issue なら「問題に取り組む」です。同じスペリングなのに、こっそり品詞や意味を変えるのはやめてほしいと思いませんか。(笑)
英単語、身近でカンタンなものほど、ファウルプレイが目立ちます。←あくまで、わたしの個人的な感想です。(笑)
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