生徒を決して見捨てない
もうずっと昔のことになりますが、わたしが初任校の山口県立岩国高校に勤めていたとき、当時の吉村洋輔校長先生から言われたことがあります。「生徒を決して見捨てるな」ということです。
なぜそんなことを言われたのか、前後関係は忘れてしまって、覚えていませんが、確か、場所はプレハブ仮校舎の1階にあった校長室だったと思います。熱い眼差(まなざ)しで「担任は生徒のことを絶対に見捨てちゃいかん」というようなことを吉村校長先生がおっしゃったのだけは覚えています。吉村校長先生は「人生意気に感ず (じんせいいきにかんず)」ということばが好きな、そんな校長先生です。
それ以来、わたしは生徒を決して見捨てないようにしてきたつもりです。生徒は高校生なので、晴れの日もあれば雨の日もあります。日々の成長の過程で「やらかしてしまう(=失敗してしまう)」ことは、あって当然。”To err is human.”です。
わたしは今でも「やらかす」ことが多いので、生徒がちょっとぐらいやらかしたからといって、個別の失敗について叱ることはあっても、生徒を見捨てることはできません。むしろ、教員としては、生徒に見捨てられるほうが辛いと考えていました。あちらが手を離しても、こちらからは手を離さない。
そのため、生徒を擁護するためには戦闘モード(←少し誇張あり)。バックヤードで個人的に叱ることはあっても、公の場では生徒の弁護士になる。まずわたしを倒してからにしろ…と、ここまで書いて、表現が過激になってきたので、ストップですね(笑)。
まだ説明したい気もしますが、長くなるのでこの辺りで。いつもお付き合いいただき、ありがとうございます(笑)。
追伸 担任をする際は、TIMEの記事(“Frozen In Time,” November 23, 1998)で読んだ、シャクルトン船長の話も意識しました。シャクルトン船長はイギリスの探検家です。南極遠征中の1915年1月18日に指揮していたエンデュアランス号が流氷に閉じ込められ、10ヶ月経った11月21日に船が沈没するというピンチに遭遇します。その後、シャクルトン船長の率いる隊員たちは、翌年の5月に救出されるまで数か月間氷の上で過ごしますが、驚くなかれ、全員生還。その間、シャクルトン船長がどのように隊員たちに接したのかが、その記事には書いてあります(以下のリンクの”The saga that followed defined heroism.”で始まる段落です)。
http://content.time.com/time/magazine/article/0,9171,140295,00.html
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