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読むのに31年かかった本

読むのに31年かかった本

先日(2022年8月18日) Begin Here: The Forgotten Conditions of Teaching and Learning という本を読み終わりました。著者は、フランス系アメリカ人の歴史家、ジャック・バーザン(Jacques Barzun)さんです。

この本は、1990年から1991年にかけてアメリカのミシガン大学に留学した際にお世話になった、ラリー・セリンカー(Larry Selinker)先生に紹介していただきました。1991年5月23日に Borders という本屋さんで買いました。買ってから何回か読もうと挑戦しましたが、難しくて文字通り棚上げになっていました。

というわけで、今年(2022年)のお盆休み中、時間があったので、8月14日から再度攻略を試みました。5日間で216ページ。じっと座って、辞書を引きながら、ひたすら読むという原始的な作戦です。調べてメモした英語の単語や熟語は204個。

咀嚼そしゃくに手間がかかりましたが、中身は素晴らしいです。例えば、教えることについて、バーザン先生は次のように書いていらっしゃいます。

The sole justification of teaching, of the school itself, is that the student comes out of it able to do something he could not do before. I say do and not know, because knowledge that doesn’t lead to doing something new or doing something better is not knowledge at all. (p.112)
教えること、つまり、学校そのものを正当化する唯一の理由は、生徒が以前できなかったことをできるようになって出てくることだ。なぜ「できる」であり「知る」でないかと言えば、新しいことができること、あるいは、より上手うまくできることにつながらない知識は、知識たり得ないからだ。

上記の引用はほんの一例です。買ってから読み終わるのに31年間かかりましたが、Begin Here: The Forgotten Conditions of Teaching and Learning は、再読に値する本だと思います。ただし、次回はもう少し期間短縮したいです(笑)。