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Asada’s English Readers の緒言を読む(後半)

Asada’s English Readers の緒言を読む(後半)

10月17日(日)に徳山英学会で「河口かわぐちあきら先生からの宿題」と題して50分間の発表をすることになっています。

河口先生は、浅田あさだ栄次えいじ博士の研究者です。浅田栄次博士は、現在の山口県周南市出身で、「明治の国際人」として知られています。米国のシカゴ大学で最初の博士号を授与され、現在の東京外国語大学の前身である東京外国語学校の英語科主任教授として、日本の英語教育の基礎を築いた偉人です。

さて、浅田先生が1909年(明治42年)にお書きになった Asada’s English Readers という英語読本があります。国立国会図書館デジタルコレクションで第1巻と第2巻を閲覧することができます。
関連リンク1:Asada’s English readers. book 1 – 国立国会図書館デジタルコレクション
関連リンク2:Asada’s English readers. book 2 – 国立国会図書館デジタルコレクション

今回は河口先生からの宿題の一環として、Asada’s English Readers の緒言を読んでみました。

本日(2021年10月10日)は緒言の後半を掲載します。出典は、国立国会図書館デジタルコレクションの第1巻です。原典に忠実にするため、漢字は可能な限り旧字体を使っています。ふりがなは、わたしが付けました。

5. 各課ノはじめニ新語ヲ列擧れっきょスルハ敎授上無意味ナレ
バ、本書ハこれヲ各頁ノ下部ニかかグ。又新語ニ音符
ごうヲ附スルハ、有害無益むえきナリト信ズルガゆえニ、本
書ハすべテ之ヲはいシ、その敎授ヲ敎師ニ一任ス。

6. 各かんノ末尾ニおいテ卷中ニ出現セシすべテノ新語ヲ表
示ス。

7. 本書ハ羅馬ローマつづりヲ敎ヘズ。又羅馬字綴ノ人名、地
名等ヲスルコト稀ナリ。英語讀本どくほんニ於テハその
要ヲ見ザルヲ以テナリ。

8. 讀本ハすなわチ讀本ニシテ、解讀ノ材料ヲそなフレバ足
レリ。その材料ヲ利用シテ文法、會話かいわ、作文等ノ練
習ヲナスガごとキハ、一ニ敎師ノ手腕しゅわんニ待ツベキモ
ノナリ。故ニ本書ハすべ是等これらノ練習的材料ヲ省略
ス。

9. 「アルファベット」ハ、第一卷第一課ヨリ第二十五課
マデノ間ニ於テ徐々トこれヲ教フル組幟トナシ、第
二十六課ニ至リテ始メテ「アルファベット」ノ表ヲかか
グ。

10. 第一卷ノ初ニ於テ母音、子音ノ說明せつめいあたへズ。又
口ノ開閉、舌ノ位置等ヲ圖示ずしセズ。文字ヲ以テはつ
音ヲ說明シ、圖解ずかいニヨリテこれヲ示サントスルトキ
ハ多少ノ弊害へいがい必ズ之ニ伴フガ故ニ、すべテ之ヲ教師
ニ一任スルコト丶ス。

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