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『生きていくあなたへ』を読みました

『生きていくあなたへ』を読みました

先日(2020年12月24日)日野原ひのはら重明しげあき先生の『生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉』を読みました。日野原先生は、1911年に山口県山口市でお生まれになって、長年、聖路加せいるか国際病院で内科医として勤務されました。
関連記事:Dr. Shigeaki Hinohara, Longevity Expert, Dies at (or Lives to) 105 – The New York Times

『生きていくあなたへ』は、日野原先生が2016年12月29日から2017年1月31日の間にご自宅のリビングルームで語られた言葉を収録した本です(pp.177-178)。日野原先生は2017年7月18日にお亡くなりになったので、先生の思いが凝縮ぎょうしゅくされた内容です。

実は、わたしは日野原先生と直接お会いしてお話しさせていただいたことがあります。日野原先生の『十歳のきみへ―九十五歳のわたしから』という本を読んで感動したので、ぜひ全世界の人が読めるように英訳させていただこうと思い、日野原先生に事前に英訳サンプルをお渡しした上で、直接お会いして英訳をさせてほしいとお願いしたのです。調べてみると、2011年7月8日(金)でした。実は、その本はすでに英訳されていたので、先生のお役には立てなかったのですが…。

『生きていくあなたへ』でも大切なことがたくさん書かれています。日野原先生は、命とは時間であり、「その時間をほかの人のため、社会のために使わないといけない」(p.28)と語られています。

渋沢栄一しぶさわえいいちさんは「人間晩晴にんげんばんせいたっとぶ」と考え、晩年を「晴々した立派なもの」(下記参考資料)にすることを大切にされたようなのですが、日野原先生は自分の時間をささげて他の人を明るく元気にすることで、ご自身の晩年を晴天にされた気がします。
参考資料:人に重んずべきは晩年 | デジタル版「実験論語処世談」 / 渋沢栄一 | 公益財団法人渋沢栄一記念財団

『生きていくあなたへ』を読んで、日野原先生のようになりたい、と思っても、にわかにできるようになるとは思えません(笑)。ご自身が80歳の頃に書かれた言葉を振り返って「自分がかわいかったなとさえ思います」(p.25)と語られる、105歳でも日々進化の日野原先生。

「キープオンゴーイング」(p.210)という先生の掛け声が聞こえてきそうです。

『生きていくあなたへ』『十歳のきみへ』も下松市立図書館にあります。ありがとうございます。感謝。