『長州ファイブ サムライたちの倫敦』を読みました
先日(2020年11月22日)『長州ファイブ サムライたちの倫敦』を読みました。著者は歴史家、エッセイストの桜井 俊彰さんです。桜井さんはロンドンにあるユニバシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)史学科大学院中世学専攻修士課程を修了されています。
「長州ファイブ」は、幕末の文久3年(1863年)に長州藩が英国に派遣した5人の武士のことを指します。生年月日順では、井上 馨さん、遠藤 謹助さん、山尾 庸三さん、伊藤 博文さん、井上 勝さんの5人です。その当時、江戸幕府は海外渡航禁止令を出していたので、密出国です。
「長州ファイブ」が学んだのは、著者の桜井さんと同じく、ユニバシティ・カレッジ・ロンドンです。UCLは英国で3番目に古い大学です。イングランド国教会の教徒でないと進学できなかったオックスフォードとケンブリッジに対抗して作られた、万人に開かれた大学とのことです(p.20)。
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桜井さんは「鉄道の父」と呼ばれる井上 勝さんのファンなので、『長州ファイブ サムライたちの倫敦』も井上 勝さんの記述が若干多くなっています。書きぶりもくだけていて、読みやすかったです。
わたしが個人的に親しみを感じるのは、井上 馨さんです。子供の頃、井上さんの生家跡に作られた公園でよく遊んでいたからです。今は井上公園と呼ばれているそうですが、当時は高田公園という名称だった気がします。
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井上さんは英国留学から帰国した後、欧米列強と直接対決するのは長州藩(現在の山口県)のためにならないと説きますが、その意見に反対する藩士に襲撃されて重傷を負います。その場所に「井上馨遭難の碑」があります。実は、この碑が中学・高校時の通学路にありました。
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今年は2020年ですので、「長州ファイブ」が命懸けで英国に渡り、UCLで学んでからわずか157年しか経っていません。『長州ファイブ サムライたちの倫敦』を読んで、この150年余りの日本の発展の原動力となった長州藩の5人のサムライの英国留学についてより深く知ることができました。
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