言葉を鍛える
最近、人工知能が発達して、ネットでは機械翻訳があって、これが案外使えます。例えば、ドイツ発の DeepL (ディープエル)は有能です。英語のみならず、世界の多様な言語に対応していて、単に翻訳だけなら「外国語学習って必要なの?」と思ってしまいそうです。
わたしは、現時点(2020年9月1日)では外国語学習には意義があると考えています。人間は言葉を使って思考します。言葉は思考の道具です。
そのため、言葉が未熟だと、思考も未熟になりがちです。相手が伝えたいことが十分に理解できませんし、自分が伝えたいことを十分に表現することができません。
逆に、言葉に造詣が深いと、相手が伝えたいことを理解できる守備範囲が広がりますし、自分が伝えたいことをドンピシャリで伝えることができます。写真の画素数が増えるように、より鮮明な理解や表現が可能になります。
外国語を学ぶことで、母語だけを学ぶより、言葉の使い方がより繊細になる気がします。母語だけでは気づかなかった点に、外国語と対照することで気づけるのです。
例えば、日本語では主語の省略が多くて、文脈から主語を推測することが常に求められます。また、英語では名詞の単数複数が日本語より鮮明で、一塊(ひとかたまり)なのか個々に分離できるのかを意識しなければなりません。複数の言語を知ることで、それぞれの言語の特徴に気づくことができます。
外国語学習は言葉を鍛える最も有効な手段の一つです。意識して言葉を精緻に使えるようになるということは、思考もそれだけ明敏になるということです。
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