常識の壁についての論考
大学入試の英文を読む際には「常識の壁」が立ちはだかります。
先日(2019年6月7日)投稿した「うめじ英語塾のチラシの下書きです!」の中で、「大学入試の長文問題で扱われる話題は豊富で(中略)環境、心理、哲学、経済、医療、健康、言語、文化、科学技術等、どんなトピックが出ても対応しなければなりません」と書きました。
実際、様々な英文に出会いますが、理解する上での最大のハードルは、著者が必ずしも日本の高校生を読者に想定して書いていないということです。つまり、大学入試のために書き下ろした場合を除き、著者は日本の高校生とは別の読者を想定して文章を書いています。この様な場合に、「著者が理解の前提としている常識」と「読者(日本の高校生)の常識」に隔たりがあると、仮に単語や文法がカンタンでも何のことかトタンニワカラナクナリマス。
大学入試のために書き下ろした場合を除き、著者は日本の高校生とは別の読者を想定して文章を書いています。
今から書くのは実話です。数年前、華陵高校の教室で生徒たちが昼休みに「エーケービー」とか「じゃんけん大会」とか「フォーティエイト」とか言って盛り上がっていました。用事があって教室に行ったわたしはたまたまその会話を聞いたのですが、日本語がカンペキでも、日本のポップカルチャーに関する常識ゼロのわたしは、アタマの中が「???」となり、生徒たちが現実に存在することについて話しているのか、仮想現実なのか、それすらワカラナイ状態になりました。後でググって、「AKB48」や「じゃんけん大会」が実在すると知って、それにも驚いたのですが…(笑) これは「生徒たちが会話の前提としていた常識」と「わたしの常識」に深い溝があった印象的な例です。
まとめると、大学入試の英文を読んで理解するためには、日頃から日本語でも幅広く読書して、「著者の常識」に合わせられるようにしておくことが大切です。
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